この記事の最終更新日: 2023年12月31日
はじめに
Google Cloudは、クラウドへの移行をサポートするために、Migrate for Compute EngineとMigrate for Anthosという二つの異なるサービスを提供しています。この記事では、それぞれのサービスの基本と違いについて詳しく見ていきます。
Migrate for Compute Engine(旧称:Velostrata)
Migrate for Compute Engineは、オンプレミス環境からGoogle CloudのCompute Engineに仮想マシン(VM)を移行するためのサービスです。
基本的な特徴:
- 移行のスピード: VMを迅速にクラウドに移行できる。
- 移行中の稼働: 移行中もアプリケーションが稼働し続ける。
- ストレージとの統合: オンプレミスのストレージをクラウドに移行する際に、ストレージデータの同期を行う。
- テスト環境の提供: クラウドへの移行前にテストを行うことができる。
Migrate for Anthos
Migrate for Anthosは、オンプレミスまたは他のクラウド環境からGoogle Kubernetes Engine(GKE)やAnthosにコンテナを移行するためのサービスです。
基本的な特徴:
- コンテナ化のサポート: VMをコンテナ化されたアプリケーションに変換する。
- Kubernetesとの統合: Kubernetesエコシステムとの完全な統合を提供する。
- マイクロサービスへの移行: 従来のアプリケーションをマイクロサービスアーキテクチャに移行することが可能。
- 多様な環境への対応: GKEのほか、Anthos on Google Cloud、Anthos on VMwareなど多様な環境をサポート。
両者の主な違い
- 移行の対象:
- Migrate for Compute Engineは、主に仮想マシンをCompute Engineに移行することに焦点を当てています。
- Migrate for Anthosは、アプリケーションをコンテナ化し、KubernetesやAnthosに移行することに特化しています。
- 最終的な実行環境:
- Migrate for Compute Engineは、Google CloudのVMインスタンスでアプリケーションを実行することを目的としています。
- Migrate for Anthosは、KubernetesやAnthos上でコンテナとしてアプリケーションを実行することを目的としています。
- 利用シナリオ:
- Migrate for Compute Engineは、クラウドへの移行を素早く行いたい場合や、従来のVMベースのアーキテクチャを維持したい場合に適しています。
- Migrate for Anthosは、アプリケーションをモダナイズし、マイクロサービスやコンテナベースのアーキテクチャに移行したい場合に適しています。
まとめ
Migrate for Compute EngineとMigrate for Anthosは、それぞれ異なるニーズと目的を持つGoogle Cloudの移行サービスです。自社のシステムや将来の目標に応じて、適切なサービスを選択することが重要です。この記事が、どちらのサービスが自社のニーズに合っているかを判断する一助となれば幸いです。
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