この記事の最終更新日: 2025年4月26日

はじめに
近年、クラウドコンピューティングの普及が進んでいますが、それでもなお「VPS(仮想プライベートサーバー)」は、多くの場面で優れた選択肢となります。特に予算や技術的要件が明確な場合、VPSはクラウドに対して大きなメリットをもたらすことがあります。この記事では、VPSがクラウドよりも適している主な5つの理由について、わかりやすく解説します。
1. コストを抑えられる
クラウドは従量課金が基本で、使った分だけ料金が発生します。一方でVPSは、固定の月額料金制が一般的です。たとえば、毎月ほぼ同じ量のリソースを使うWebサイトやアプリを運用している場合、VPSの方がコストを見積もりやすく、結果的に安上がりになるケースが多いです。
ポイント: 安定した利用が前提であれば、VPSの方がコスト面で有利です。
2. パフォーマンスが安定している
VPSでは、物理サーバー上に専用の仮想環境が割り当てられます。そのため、他のユーザーの影響を受けにくく、自分のアプリケーションの動作が安定します。
クラウド環境では、他の利用者のアクセスが集中することで、自分のリソースが圧迫される「ノイジーネイバー問題」が発生することも。VPSではそうした影響が少なく、パフォーマンスの安定性が求められるシステムに適しています。
3. カスタマイズ性と自由度が高い
VPSは基本的にルート権限(管理者権限)付きで提供されるため、OSの選定からミドルウェアの構成、セキュリティポリシーの設定まで、すべて自分でコントロールできます。
クラウドサービスでは、あらかじめ定義された環境での運用が前提となることが多く、細かいカスタマイズには制限がある場合も。
たとえば: 特定のバージョンのPHPやMySQLを使いたいときなどは、VPSの方が柔軟に対応できます。
4. シンプルで扱いやすい
クラウドには豊富な機能がある一方で、管理画面や設定が複雑になりがちです。構成管理、権限設定、ネットワークの分離など、高度な知識が求められることもあります。
VPSはシンプルなサーバー環境で、従来のレンタルサーバーに慣れている人には扱いやすく、設定も直感的です。クラウドの複雑さに悩まされたくない方には最適です。
5. 移行がしやすい
既存のWebサイトやアプリケーションを移行する場合、クラウド環境では構成の再設計が必要になることがありますが、VPSであれば従来のサーバー環境に近いため、比較的スムーズに移行できます。
特に共有ホスティングやオンプレミス環境からの移行では、設定をそのまま引き継げるケースも多く、移行コストとリスクを最小限に抑えることができます。
セキュリティ・プライバシー面の配慮も
VPSでは、仮想環境とはいえユーザー専用に割り当てられたスペースでデータを保管します。一方、クラウドサービスでは、複数ユーザーが同一インフラ上で稼働しており、データの管理についてはクラウド事業者に依存します。
独自のセキュリティ対策を施したい場合や、明確なデータ保護ポリシーを設けたい場合には、VPSの方が柔軟な選択肢になるでしょう。
まとめ
クラウドとVPSのどちらが優れているかは、利用目的や技術スキル、予算によって異なります。しかし以下のようなケースでは、VPSの方が適していると言えるでしょう:
- 月々の費用を予測・固定したい
- パフォーマンスを安定させたい
- サーバー環境を自由に構築したい
- シンプルで分かりやすい運用がしたい
- 既存のシステムをスムーズに移行したい
VPSは、クラウドよりもコストと制御性に優れたソリューションとして、今なお多くの開発者や企業に選ばれています。クラウドの利便性を活かしつつも、自分のニーズに応じてVPSを検討してみてはいかがでしょうか。
さくらのVPS


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