この記事の最終更新日: 2026年6月4日

ブラウザで音声通話やビデオ通話を実装したいとき、候補に上がりやすいJavaScriptライブラリが SIP.js と JsSIP です。
どちらも、WebRTCとSIPを使ってブラウザ上で通話機能を実装できるライブラリです。
ただ、名前も用途も似ているため、最初は次のように迷いやすいです。
「SIP.jsとJsSIPは何が違うのか?」
「どちらを使えばブラウザ通話を作りやすいのか?」
「ReactやTypeScriptならSIP.jsの方がいいのか?」
「AsteriskやFreeSWITCHとつなぐならどちらが向いているのか?」
この記事では、SIP.jsとJsSIPの違いを、初心者にもわかりやすく比較します。
先に結論
SIP.jsとJsSIPは、どちらも SIP over WebSocket と WebRTC を使ってブラウザ通話を実装するためのライブラリです。
大きな方向性は似ていますが、選び方の目安は次のようになります。
| 判断軸 | おすすめ |
|---|---|
| TypeScript前提で実装したい | SIP.js |
| SimpleUserでまず簡単に試したい | SIP.js |
| JavaScript中心で軽量に使いたい | JsSIP |
| Node.jsでも扱いたい | JsSIP |
| SIPの細かいイベントを自分で制御したい | JsSIPも候補 |
| 公式サンプルの読みやすさを重視したい | SIP.js |
| 既存コードがJsSIPで動いている | 無理にSIP.jsへ移行しなくてよい |
| 新規開発でReact/TypeScript構成 | SIP.jsを第一候補にしやすい |
かなりざっくり言うと、TypeScriptやWebアプリ開発の文脈で扱いやすさを重視するならSIP.js、軽量なJavaScript SIP UAとして柔軟に使いたいならJsSIP という選び方になります。
ただし、最終的にはライブラリ単体ではなく、接続先のSIPサーバー、WebRTC対応状況、チームの知識、運用要件で判断するべきです。
SIP.jsとは?
SIP.js は、ブラウザ上でSIP通話を実装するためのJavaScriptライブラリです。
SIP.jsの公式サイトでは、SIP over WebSocketでSIP User Agentを登録し、音声・ビデオセッション、メッセージング、プレゼンス、画面共有、保留、転送などを扱えるライブラリとして紹介されています。(SIP.js)
GitHubのREADMEでも、SIP.jsはWebRTCによる音声・ビデオセッション、SIP over WebSocket、インスタントメッセージ、プレゼンス、保留、転送、DTMF、画面共有に対応し、TypeScriptで書かれていることが説明されています。(GitHub)
簡単に言うと、SIP.jsは ブラウザをSIP電話のように動かすためのライブラリ です。
たとえば、以下のような用途で使えます。
- ブラウザから電話をかける
- ブラウザで着信を受ける
- WebRTCで音声通話を行う
- SIPサーバーやPBXと連携する
- CRMや管理画面に通話機能を組み込む
JsSIPとは?
JsSIP も、JavaScriptでSIP通話を実装するためのライブラリです。
公式サイトでは、JsSIPはブラウザとNode.jsで動作し、SIP over WebSocket、WebRTCによる音声・ビデオ通話、インスタントメッセージに対応する軽量なJavaScript SIPライブラリとして説明されています。(JsSIP)
GitHubのREADMEでも、JsSIPはブラウザとNode.jsで動作し、SIP over WebSocket、WebRTCの音声・ビデオ通話、インスタントメッセージに対応し、KamailioやAsteriskなどと連携できることが紹介されています。(GitHub)
JsSIPも、SIP.jsと同じく ブラウザでSIP通話を実装するためのライブラリ です。
ただし、SIP.jsと比べると、より「JavaScript SIP UAライブラリ」という色合いが強く、イベントハンドリングを自分で組み立てていく感覚があります。
SIP.jsとJsSIPの共通点
まず、SIP.jsとJsSIPには多くの共通点があります。
どちらも、基本的には次のような構成で動きます。
ブラウザ
└─ SIP.js または JsSIP
├─ SIP over WebSocket
└─ WebRTC
↓ WSS
SIPサーバー / PBX
├─ Asterisk
├─ FreeSWITCH
├─ Kamailio
├─ OpenSIPS
└─ その他SIPサービス
共通点を表にすると、次のとおりです。
| 項目 | SIP.js | JsSIP |
|---|---|---|
| SIP over WebSocket | 対応 | 対応 |
| WebRTC音声通話 | 対応 | 対応 |
| ビデオ通話 | 対応 | 対応 |
| ブラウザ通話 | 対応 | 対応 |
| SIPサーバー連携 | 対応 | 対応 |
| Asterisk連携 | 対応候補 | 対応候補 |
| PBX連携 | 対応候補 | 対応候補 |
| JavaScriptで実装 | 可能 | 可能 |
つまり、「ブラウザでSIP通話を作る」という目的だけなら、どちらも候補になる ということです。
違い1:設計思想
SIP.jsは、WebアプリケーションでSIP通話を扱いやすくするための構成が整っています。
特に、SIP.jsには SimpleUser という初心者向け・簡易利用向けのAPIがあります。公式ガイドでも、SimpleUserはSIP.jsを最も早く簡単に使い始める方法であり、ただし複雑な通話機能にはフルAPIが必要だと説明されています。(SIP.js)
一方、JsSIPは JsSIP.UA を中心に、自分でイベントを登録して通話処理を組み立てていくスタイルです。JsSIPのGetting Startedでも、User AgentがJsSIPの中心要素であり、SIPアカウントに紐づいたSIPクライアントを表すと説明されています。(JsSIP)
整理すると、次のような違いがあります。
| 観点 | SIP.js | JsSIP |
|---|---|---|
| 初心者向けの入口 | SimpleUserがある | UA中心で組み立てる |
| APIの印象 | 段階的に使える | SIP UAとして直接扱う感覚 |
| 抽象度 | やや高めのAPIもある | 比較的イベント駆動で明示的 |
| 複雑な制御 | フルAPIを使う | UA/sessionイベントで制御 |
初心者が「まず発信できるところまで動かしたい」という場合は、SIP.jsのSimpleUserの方が入りやすいです。
一方、SIPのイベントやセッションを細かく扱いたい場合は、JsSIPの方が直感的に感じる人もいます。
違い2:TypeScriptとの相性
SIP.jsは、GitHubのREADMEで Written in TypeScript と説明されています。(GitHub)
そのため、React + TypeScript、Next.js + TypeScript、Vue + TypeScriptのような構成では、SIP.jsの方が採用しやすい場合があります。
一方、JsSIPは公式サイトで 100% pure JavaScript と説明されています。(JsSIP)
もちろん、JsSIPもTypeScriptプロジェクトで使うことはできます。ただし、型定義やエディタ補完、APIの追いやすさという観点では、SIP.jsの方が扱いやすいと感じる場面があります。
| 観点 | SIP.js | JsSIP |
|---|---|---|
| 実装言語 | TypeScript | JavaScript |
| TypeScriptプロジェクトとの相性 | 高い | 利用は可能 |
| 型補完の期待値 | 高め | 環境次第 |
| React/Next.jsとの相性 | よい | 利用可能 |
新規開発でTypeScriptを前提にするなら、SIP.jsを優先候補にしてよいでしょう。
違い3:Node.js対応
JsSIPは、公式サイトやGitHubで browser and Node.js で動作すると説明されています。(JsSIP)
そのため、ブラウザだけでなく、Node.js側でSIP処理を扱いたい場合はJsSIPが候補になります。
一方、SIP.jsはブラウザWebRTCアプリケーション向けの文脈が強く、GitHubのREADMEでも主要ブラウザ対応やWebRTCセッション作成が中心に説明されています。(GitHub)
| 観点 | SIP.js | JsSIP |
|---|---|---|
| ブラウザ利用 | 得意 | 得意 |
| Node.js利用 | 主目的ではない | 公式に対応をうたっている |
| WebRTCブラウザ通話 | 得意 | 得意 |
| サーバーサイドSIP処理 | 要検証 | 候補にしやすい |
ブラウザ通話だけならどちらでも候補になりますが、Node.jsでの利用も視野に入れるならJsSIPの方が検討しやすいです。
違い4:サンプルコードの雰囲気
SIP.jsでは、SimpleUserを使うと比較的短いコードで発信処理を書けます。
import { Web } from "sip.js";
const server = "wss://sip.example.com";
const simpleUser = new Web.SimpleUser(server, {
aor: "sip:alice@example.com",
media: {
constraints: {
audio: true,
video: false,
},
remote: {
audio: document.getElementById("remoteAudio") as HTMLAudioElement,
},
},
});
await simpleUser.connect();
await simpleUser.register();
await simpleUser.call("sip:bob@example.com");
SIP.jsのREADMEでも、Web.SimpleUser を使ってWebSocketサーバーへ接続し、SIP宛先へ発信するサンプルが紹介されています。(GitHub)
一方、JsSIPはUAを作成し、イベントハンドラを設定して、ua.call() で発信する流れです。
const socket = new JsSIP.WebSocketInterface("wss://sip.example.com");
const configuration = {
sockets: [socket],
uri: "sip:alice@example.com",
password: "password",
};
const ua = new JsSIP.UA(configuration);
ua.start();
const eventHandlers = {
progress: function () {
console.log("call is in progress");
},
failed: function (e) {
console.log("call failed", e);
},
ended: function (e) {
console.log("call ended", e);
},
confirmed: function () {
console.log("call confirmed");
},
};
const options = {
eventHandlers,
mediaConstraints: {
audio: true,
video: false,
},
};
const session = ua.call("sip:bob@example.com", options);
JsSIPのGitHub READMEでも、WebSocketInterface、UA、イベントハンドラ、ua.call() を使った発信例が掲載されています。(GitHub)
どちらがよいかは好みもありますが、初心者にはSIP.jsのSimpleUserの方が見通しがよく感じやすいです。
違い5:抽象化のレベル
SIP.jsは、SimpleUserのような高めの抽象化と、UserAgentやInviterなどを使うフルAPIの両方があります。
つまり、最初はSimpleUserで始めて、必要に応じてフルAPIへ進む、という学び方がしやすいです。
一方、JsSIPは最初からUAやsessionを中心に扱います。
| 観点 | SIP.js | JsSIP |
|---|---|---|
| 簡単な発信 | SimpleUserで書きやすい | UAとイベント設定が必要 |
| 複雑な通話制御 | フルAPIへ移行 | sessionイベントで制御 |
| 学習の段階性 | 高い | SIP UAに近い理解が必要 |
| SIPらしさ | やや隠れる部分がある | 比較的見えやすい |
「最初は簡単に試したい」ならSIP.js、「SIPの流れを理解しながら細かく制御したい」ならJsSIPも検討できます。
違い6:対応サーバーの考え方
SIP.jsもJsSIPも、AsteriskやFreeSWITCH、KamailioなどのSIPサーバーと組み合わせて使われます。
SIP.jsのREADMEでは、AsteriskやFreeSWITCHなどの標準準拠サーバーと互換性があると説明されています。(GitHub)
JsSIPのREADMEでは、Kamailio、Asterisk、Mobicents、reproなどで動作すると説明されています。(GitHub)
ただし、ここで重要なのは、ライブラリが対応していることと、自分の環境で安定して動くことは別 という点です。
ブラウザ通話では、次のようなサーバー側設定が重要になります。
- WSS対応
- TLS証明書
- WebRTC対応
- DTLS-SRTP
- ICE
- STUN/TURN
- NAT設定
- コーデック設定
- SIPヘッダーの扱い
- ContactやViaの処理
特にAsteriskやFreeSWITCHと接続する場合、通常のSIP電話機では動いていても、ブラウザWebRTCクライアントでは音が出ない、片方向だけ聞こえる、着信できない、といった問題が起きることがあります。
そのため、選定時は「ライブラリの人気」だけでなく、使う予定のSIPサーバーとの接続実績 を重視するべきです。
SIP.jsが向いているケース
SIP.jsは、次のようなケースに向いています。
| ケース | 理由 |
|---|---|
| React/TypeScriptで新規開発する | TypeScriptベースで扱いやすい |
| まず簡単にブラウザ通話を試したい | SimpleUserがある |
| Webアプリに通話機能を組み込みたい | ブラウザ向けの文脈が強い |
| SIPの詳細に最初から深入りしたくない | 抽象化されたAPIから始められる |
| 音声通話中心でMVPを作りたい | 最小構成で試しやすい |
特に、Webエンジニアが業務システムに「電話する」ボタンを組み込みたい場合は、SIP.jsから検討すると入りやすいです。
JsSIPが向いているケース
JsSIPは、次のようなケースに向いています。
| ケース | 理由 |
|---|---|
| JavaScript中心で実装したい | Pure JavaScriptライブラリとして使いやすい |
| Node.jsでもSIP処理を扱いたい | 公式にbrowser and Node.js対応をうたっている |
| SIP UAとして細かく制御したい | UA/session/eventを直接扱いやすい |
| 既存プロジェクトがJsSIPを使っている | 無理に移行する必要がない |
| KamailioやAsteriskとの既存実績を重視する | 公式READMEでも連携例が示されている |
JsSIPは、SIPのイベントや状態を自分でハンドリングしたい開発者に向いています。
比較表
SIP.jsとJsSIPの違いをまとめると、次のようになります。
| 比較項目 | SIP.js | JsSIP |
|---|---|---|
| 主な用途 | ブラウザSIP通話 | ブラウザ/Node.js SIP通話 |
| SIP over WebSocket | 対応 | 対応 |
| WebRTC | 対応 | 対応 |
| 音声通話 | 対応 | 対応 |
| ビデオ通話 | 対応 | 対応 |
| 実装言語 | TypeScript | JavaScript |
| 初心者向けAPI | SimpleUserあり | UA中心 |
| Node.js対応 | 主用途ではない | 対応を明記 |
| APIの印象 | 段階的・Webアプリ向け | 軽量・イベント駆動 |
| 向いている開発 | React/TypeScript新規開発 | JS中心・細かいSIP制御 |
| 代表的なサーバー連携 | Asterisk、FreeSWITCHなど | Kamailio、Asteriskなど |
| 選び方 | 型安全・導入しやすさ重視 | 軽量性・柔軟性重視 |
どちらを選ぶべきか?
新規開発ならSIP.jsを第一候補にしやすい
新しくブラウザ通話機能を作るなら、まずはSIP.jsを検討してよいです。
理由は、TypeScriptとの相性がよく、SimpleUserで最小構成を試しやすいからです。
特に、次のような構成ならSIP.jsは相性がよいです。
- React
- TypeScript
- Next.js
- Vite
- 業務管理画面
- CRM
- コールセンター画面
- ブラウザ内線
まずSimpleUserで発信・着信を検証し、要件が複雑になってきたらUserAgentやSessionを使うフルAPIに進む流れが現実的です。
JavaScript中心・Node.js利用も考えるならJsSIP
一方、JavaScript中心の構成や、Node.jsでの利用も視野に入れるならJsSIPが候補になります。
JsSIPはブラウザとNode.jsで動作することを公式に説明しており、軽量なSIP UAライブラリとしての性格が強いです。(JsSIP)
また、UA、session、event handlerを自分で制御する形がわかりやすいため、SIPの挙動を細かく追いたい場合にも向いています。
既存環境で動いているなら無理に変えない
すでにJsSIPで動いているプロジェクトを、理由なくSIP.jsに移行する必要はありません。
逆も同じです。
ブラウザ通話は、ライブラリよりもサーバー設定やネットワーク要件で詰まることが多いです。
そのため、すでに以下が安定しているなら、ライブラリ移行の優先度は低いです。
- REGISTERできている
- 発信できている
- 着信できている
- 双方向音声が安定している
- NAT越えが問題ない
- 本番ブラウザで動作している
- エラー時の挙動も把握できている
「新しいライブラリの方がよさそう」という理由だけで移行すると、むしろ通話品質や互換性の検証コストが増える可能性があります。
実務での選定ポイント
SIP.jsかJsSIPかを選ぶときは、次の観点で判断するとよいです。
1. 接続先のSIPサーバーで実績があるか
一番大事なのは、使う予定のSIPサーバーで安定して動くかです。
Asterisk、FreeSWITCH、Kamailio、OpenSIPS、商用PBXなど、接続先によって設定や相性が変わります。
ライブラリの機能表だけで決めず、実際に以下を検証しましょう。
- REGISTER
- 発信
- 着信
- 応答
- 切断
- 双方向音声
- 保留
- 転送
- DTMF
- ネットワーク切断時の復旧
- 複数ブラウザでの動作
2. TypeScriptを重視するか
TypeScript前提なら、SIP.jsが扱いやすい可能性が高いです。
通話機能は状態管理が複雑になりやすいため、型があることは保守性に効きます。
たとえば、以下のような状態を扱うことになります。
type CallStatus =
| "idle"
| "connecting"
| "registered"
| "calling"
| "ringing"
| "inCall"
| "holding"
| "ended"
| "error";
こうした状態とSIPセッションを安全に扱いたいなら、型の恩恵は大きいです。
3. どこまで通話機能を作るか
単純な音声通話だけなら、SIP.jsのSimpleUserで十分な場合があります。
しかし、以下のような要件がある場合は、どちらを使っても細かい制御が必要になります。
- 複数同時通話
- 保留
- 転送
- パーク保留
- 内線状態表示
- プレゼンス
- DTMF
- 通話録音連携
- コールセンター向けステータス管理
- 自動再接続
- ネットワーク復旧処理
- 複数タブ制御
このレベルになると、「SIP.jsなら簡単」「JsSIPなら簡単」という話ではなく、SIP/WebRTC/PBXの知識が必要になります。
4. チームが読みやすいコードになるか
ライブラリ選定では、チームがコードを理解しやすいかも重要です。
SIP.jsのSimpleUserは見通しがよく、Webアプリ開発者には理解しやすいです。
一方で、JsSIPはUAやsessionイベントを中心に処理が見えるため、SIPに慣れている人にはわかりやすい場合があります。
フロントエンドチーム中心ならSIP.js、SIP/PBXに詳しいメンバーが多いならJsSIPも十分候補になります。
初心者におすすめなのは?
初心者がこれからブラウザ通話を学ぶなら、個人的には SIP.jsから試す のがおすすめです。
理由は次のとおりです。
- SimpleUserで最小構成を試しやすい
- TypeScriptプロジェクトに組み込みやすい
- Webアプリ開発の文脈で理解しやすい
- 公式ドキュメントの導線が比較的わかりやすい
- Reactなどと組み合わせやすい
ただし、SIPの基礎を理解する目的なら、JsSIPのコードも非常に参考になります。
UAを作成し、イベントを登録し、callするという流れが見えやすいため、SIPクライアントとして何が起きているかを学びやすい面もあります。
注意:ライブラリだけで通話品質は決まらない
SIP.jsとJsSIPのどちらを選んでも、通話品質はライブラリだけでは決まりません。
むしろ、実務では次の要素の方が重要になることも多いです。
- SIPサーバーのWebRTC対応
- WSS/TLS設定
- NAT越え
- STUN/TURN
- コーデック
- SDPの扱い
- ブラウザのマイク権限
- 自動再生制限
- ネットワーク品質
- モバイル回線での動作
- VPN環境での動作
つまり、SIP.jsかJsSIPかの比較だけでなく、SIPサーバーからブラウザまでの全体設計 が重要です。
まとめ
SIP.jsとJsSIPは、どちらもブラウザでSIP通話を実装するための有力なJavaScriptライブラリです。
両者ともSIP over WebSocketとWebRTCに対応しており、ブラウザ上で音声通話やビデオ通話を実装できます。
選び方の目安は次のとおりです。
- TypeScriptやReactで新規開発するならSIP.js
- SimpleUserでまず簡単に試したいならSIP.js
- JavaScript中心で軽量に使いたいならJsSIP
- Node.jsでも使いたいならJsSIP
- SIPイベントを細かく制御したいならJsSIPも候補
- 既存環境で安定しているなら無理に移行しない
- 最終判断はSIPサーバーとの相性と実機検証で行う
初心者がこれからブラウザ通話を作るなら、まずは SIP.jsで最小構成を作ってみる のがわかりやすいです。
一方で、SIPの仕組みを深く理解しながらイベント駆動で制御したい場合や、Node.jsでの利用も考える場合は、JsSIPも十分に検討する価値があります。
どちらを選ぶにしても、ブラウザ通話ではライブラリ選定だけでなく、SIPサーバー、WebRTC、WSS、STUN/TURN、NAT、ブラウザ制約まで含めて設計することが重要です。

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