HTTP通信とTCP通信の違いを非エンジニア向けに解説!

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この記事の最終更新日: 2025年5月7日

以下の記事は、専門用語をできる限りわかりやすく、日常的なイメージに置き換えて解説しています。技術的な深掘りはほどほどにしながら、インターネットの基礎的な仕組みである「HTTP通信」と「TCP通信」について理解することを目的としています。

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1. インターネットを支える2つの通信のしくみ

インターネットを使うとき、私たちは普段「Webサイト」を見たり、「アプリ」で情報を取得したりします。その際に行われているのが、HTTP通信TCP通信と呼ばれる仕組みです。どちらも、実は私たちが「データをやりとりする」うえで、欠かせないプロトコル(通信ルール)となっています。

プロトコルって何?

「プロトコル」という言葉は「通信ルール」を表します。たとえば国際電話をかけるとき、国際番号を使って相手の国へ電話をつなぎますよね。あの「国際番号を最初に押すルール」のように、国ごとに一定の手続きを踏んで電話をかけるのがプロトコルの一例です。


2. TCP通信とは?

2-1. TCPは大通りを走る運送トラックのようなもの

まずはTCP(Transmission Control Protocol)です。これは、インターネットの世界でデータを確実にやり取りするための基礎的な仕組みです。

たとえば、あなたがインターネットで画像をダウンロードする場合、画像データは小さなパケットと呼ばれるかたまりに分割されて送られます。TCPの役割は、

  1. 送りたいデータを「パケット」として小分けにする
  2. 受け取る側できちんと順番どおりに並び替える
  3. 途中でデータが欠けたり壊れたりしていないか確認する
    というものです。

「小分けにして送る」という点で、TCPはネット上を走る「運送トラック」のイメージです。送るデータを荷物として1つ1つしっかり荷積みし、到着するときもちゃんと“順番通りに”整えてから届けます。もし道中で荷物が落ちたり、壊れたりしたら、送り手や受け取り手にそれを通知して再送を頼むといったやり取りを行うのです。

2-2. TCP通信のポイント

  • 確実性が高い: データが壊れていたら再送する仕組みがある。
  • 順序の保証: パケットを受け取った順番を正しく並べ替えてくれる。
  • 負荷の制御: ネットワークの混雑状況などを見ながら、無理せず送受信を行う。

3. HTTP通信とは?

3-1. Webページの“会話術”

HTTP(Hypertext Transfer Protocol)は、主にWebブラウザとWebサーバーが「会話をするためのルール」です。私たちが普段、ブラウザでWebサイトを見るときには、画面のURLに「http://」や「https://」と表示されることがありますよね。これは「このサイトはHTTPという仕組みで通信していますよ」という印です。

HTTPの仕組みを簡単に言うと、

  1. 「ブラウザ(利用者)からサーバーへ“リクエスト(要求)”を送る」
  2. 「サーバーがリクエストに合わせて“レスポンス(応答)”を返す」
    という流れで成り立っています。

たとえば、あなたがGoogleで検索するときは、検索キーワードを入れて「検索ボタン」を押しますよね。これはブラウザから「こんなキーワードの検索結果をください!」というリクエストを送っている状態です。そのリクエストを受け取ったGoogleのサーバーは「はい、これが検索結果ですよ!」というレスポンスを返し、ブラウザに表示されるわけです。

3-2. HTTP通信はTCPの上で動く

HTTPは会話のルールですが、この会話のやり取り(リクエストとレスポンス)を実際に運ぶのがTCPの役割です。

  • TCPは運送トラック
  • HTTPはそのトラックに積まれている「やり取りの内容」
    このようにイメージするとわかりやすいでしょう。

そのため「HTTP通信はTCP通信の上で動いている」とよく言われます。道路(インターネットの回線)を運送トラック(TCP)が走り、そのトラックの中で手紙や荷物(HTTPのリクエスト/レスポンス)がやり取りされるわけです。

3-3. HTTPS(SSL/TLS)ってなに?

URLで「https://」と書かれているサイトは、安全な通信を行うために「SSL/TLS」という暗号化技術を使っています。HTTPの通信内容(手紙の中身)を暗号化し、外部から見られたり盗まれたりしにくくするためです。これも、内部的にはTCPを使って通信をしていますが、やり取りの内容(HTTP)が暗号化されているイメージです。


4. 例え話でイメージしよう

4-1. TCP × HTTP

  1. TCP = 運送トラック
    • 荷物の破損や紛失に注意する
    • 確実に送り届ける
    • 混雑を見ながら輸送量を調整する
  2. HTTP = 手紙のやりとり
    • お互いが「この情報ちょうだい」「はい、どうぞ」と会話する
    • 手紙や書類の中には、具体的なリクエストや結果が書かれている

この2つは切っても切れない関係で、Webサイトなどのやり取りをするときに必ずセットで動いています。


5. まとめ

  • TCP通信: データを安定的に送り届けるための基礎的な仕組み(運送トラック)
  • HTTP通信: 主にブラウザとWebサーバーがデータをやりとりするルール(手紙のやりとり)

インターネットで情報をやり取りするとき、TCPによって安定した通り道(輸送手段)が確保され、その上をHTTPが行ったり来たりすることで、私たちは安心してWebサイトを閲覧できるのです。

少し補足

  • メールやチャットなど、ほかの多くのインターネットサービスも、裏側ではTCPを利用しています。
  • 逆に「UDP(User Datagram Protocol)」という、より軽量・簡単な運送方法もあります。オンラインゲームなどで使われることが多いですが、HTTPは基本的にTCPの上で動きます。

6. おわりに

HTTP通信とTCP通信は、私たちが普段意識しないところでインターネットを支えています。
「データを確実に運ぶトラック(TCP)」と「やり取りの内容(HTTP)」―― これをイメージしておけば、Webサイトを見たり、アプリがデータをダウンロードしたりする仕組みが少し身近に感じられるでしょう。

インターネットの世界では、さまざまな「プロトコル(通信ルール)」が共存しています。今回解説した2つは、その中でも特に重要な基礎。もしもう少し詳しく調べたいと思ったら、「TCPのコネクション制御」や「HTTPのリクエストの種類(GETやPOSTなど)」をキーワードにして調べてみてください。きっと、今よりもさらにインターネットの仕組みを理解できるようになりますよ。

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