この記事の最終更新日: 2025年5月12日

はじめに
Visual Studio Code(VSCode)の拡張機能「REST Client」を使うと、ブラウザやターミナルを使わず、エディタ内から直接APIリクエストを送信できます。本記事では、初めてREST Clientを使用する方にもわかりやすいように、インストール方法から基本操作、活用例まで丁寧に解説します。
1. REST Clientとは?
REST Clientは、VSCode上でHTTPリクエスト(GET、POST、PUT、DELETEなど)を直接記述・送信し、レスポンスを確認できる拡張機能です。Postmanのような外部ツールを使わずにAPIテストができ、開発効率が大幅に向上します。
特徴
- エディタ内だけで完結できる
- リクエスト・レスポンスをその場で確認できる
- 認証や変数設定なども柔軟に対応
2. インストール方法
- VSCodeを開きます。
- 左側の拡張機能パネル(四角いアイコン)をクリックします。
- 検索バーに「REST Client」と入力します。
- 作者「Huachao Mao」のREST Clientを選択し、「インストール」ボタンを押します。
インストール後、ファイル拡張子が .http
または .rest
のファイルを作成すると、REST Clientが有効になります。
3. 基本的な使い方
リクエスト作成手順
.http
または.rest
ファイルを新規作成します。- 以下のようにリクエストを記述します。
GET https://jsonplaceholder.typicode.com/posts/1
- リクエスト行の上に「Send Request」と表示されるのでクリックします。
- 右側にレスポンスが表示され、ステータスコード・ヘッダー・本文を確認できます。
4. よく使うリクエスト例
GETリクエスト(データ取得)
GET https://api.example.com/users
POSTリクエスト(データ登録)
POST https://api.example.com/users
Content-Type: application/json
{
"name": "John Doe",
"email": "john@example.com"
}
PUTリクエスト(データ更新)
PUT https://api.example.com/users/1
Content-Type: application/json
{
"name": "Jane Doe"
}
DELETEリクエスト(データ削除)
DELETE https://api.example.com/users/1
5. 便利な活用方法
複数リクエストの管理
リクエストとリクエストの間を ###
で区切ることで、1つのファイル内に複数のリクエストを整理できます。
### ユーザー一覧取得
GET https://api.example.com/users
### 新規ユーザー作成
POST https://api.example.com/users
Content-Type: application/json
{
"name": "New User"
}
変数の利用
よく使うURLや認証情報を変数化して管理できます。
@baseUrl = https://api.example.com
GET {{baseUrl}}/users
複雑なリクエストをシンプルにまとめることができ、メンテナンス性も向上します。
6. 認証の設定
REST Clientでは、さまざまな認証方法に対応しています。
- Basic認証:ユーザー名とパスワードを使った認証
- Bearerトークン:OAuth 2.0トークンを使った認証
- AWS Signature v4:AWSサービス用の認証
- SSLクライアント証明書:TLS/SSLを用いた認証
Bearerトークンの使用例
GET https://api.example.com/protected
Authorization: Bearer your_token_here
7. レスポンスの確認と保存
- レスポンスはリクエスト直後にVSCode内に表示されます。
- ステータスコード(例:200 OK)やレスポンスボディ(JSON形式など)をすぐに確認できます。
- 保存アイコンをクリックすれば、レスポンス内容をファイルに保存することも可能です。
8. その他の便利機能
- 過去に送信したリクエストの履歴を参照・再実行できる
- 送信したリクエストをcURLコマンドに変換してコピー可能
- Python、JavaScriptなど向けにコードスニペットを自動生成
- GraphQLリクエストに対応
- Markdownファイル内のリクエスト実行も可能
まとめ
VSCodeのREST Client拡張機能を使えば、外部ツールなしでAPI開発・テストをスムーズに進められます。シンプルなインターフェースでありながら、認証や変数管理など高度な機能も備えており、エンジニアの日常的な開発作業を大きく支援してくれるツールです。
ぜひ一度導入し、開発効率向上に役立ててみてください。
【備考情報】
- REST Clientは2025年時点でもアクティブにメンテナンスされています。
- 最新情報については公式マーケットプレイスをご確認ください。

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