この記事の最終更新日: 2025年5月5日

本記事では、ブラウザ上で音声・ビデオ通話ができる無料サービス「sip2sip.info」について、アカウント登録方法から使用制限、ネットワーク設定までわかりやすく解説いたします。特に、初めてSIPサービスを利用される方にもご理解いただけるよう、専門用語も丁寧にご説明します。
1. 無料アカウント登録方法
登録に必要な情報
sip2sip.infoで無料アカウントを作成するには、次の情報を登録する必要があります。
- ユーザー名(希望するSIPアドレス名)
- パスワード(2回入力して確認)
- 名(First name)
- 姓(Last name)
- メールアドレス
メール認証について
登録後、入力したメールアドレス宛にアカウント情報が送付されます。ただし、メール内リンクをクリックして認証を完了する必要はありません。すぐにアカウントが有効化され、利用を開始できます。
2. 使用制限および提供されるサービス内容
基本方針
sip2sip.infoは、個人利用を対象とした公平利用ポリシーに基づき、無料でリアルタイム通信サービスを提供しています。次の点にご注意ください。
- 正常な通信利用に限り自由に使えます。
- 迷惑行為(スパム発信など)が認められた場合、アカウントは停止されます。
- 第三者への再販や商用大量利用は禁止されています。
アカウント作成数
1人あたりの作成数には明確な上限はありませんが、1人1アカウントの運用が推奨されています。登録には異なるメールアドレスが必要です。
利用期間・通話時間制限
無料アカウントには利用期限や通話時間の上限は設定されていません。サービスが続く限り、無償で利用できます。ただし、極端な長時間通話や大量発信が検出された場合、利用制限がかかることがあります。
無料で提供される主な機能
- 音声通話・ビデオ通話: SIPプロトコルに基づき、音声・映像を送受信
- チャット・ファイル送信: インスタントメッセージ(MSRPプロトコル)による通信
- プレゼンス機能: 相手の在席状況をリアルタイムで確認
- XMPPゲートウェイ連携: 他のチャットサービスと接続可能
- 連絡先管理(XCAP)・ディレクトリ同期(LDAP)
- WebRTCベースのビデオ会議参加
※ 通常の固定電話や携帯電話への発信(PSTN発信)は別途クレジット購入が必要です。
3. 対応プロトコルとポート番号
NATとは?
NAT(Network Address Translation)とは、自宅や会社のネットワークに複数の機器がある場合でも、外部インターネット上では1つのIPアドレスで通信できるようにする仕組みです。これにより、IPアドレスを効率よく利用できるようになりますが、外部から内部ネットワークの機器へ直接通信を行うのが難しくなるため、SIP通話の際には工夫が必要です。
STUNとは?
STUN(Session Traversal Utilities for NAT)は、NAT環境にいるクライアントが自分のグローバルIPアドレスとポート番号を知るための仕組みです。これにより、通話の相手と直接通信する際にどのアドレスを使えば良いかを判断できます。
TURNとは?
TURN(Traversal Using Relays around NAT)は、NAT越えがうまくできないときのために、メディア(音声や映像)を中継サーバー経由で送受信する仕組みです。これにより、ファイアウォールが厳しい環境でも確実に通話ができるようになります。
sip2sip.infoのサービスを利用する際に重要な通信ポートとプロトコルを整理します。
用途 | プロトコル | ポート番号 |
---|---|---|
SIP音声信号(通常) | UDP/TCP | 5060番 |
SIP音声信号(暗号化) | TLS | 5061番 |
ブラウザ通信(WebSocket) | Secure WebSocket | 443番 |
NAT越え(STUNサーバー) | STUN (UDP) | 3478番 |
NAT越え(TURNサーバー) | TURN (UDP/TCP/TLS) | 3478番/5349番 |
- SIPサーバー:
proxy.sipthor.net
- WebSocketサーバー:
wss://sip2sip.info
- STUNサーバー:
_stun._udp.sip2sip.info
なお、ブラウザから接続する場合はSecure WebSocket(WSS)経由でポート443を使用します。STUN/TURNサーバーは、通信開始時に自動的に通知されるため、特別な設定は不要です。
まとめ
sip2sip.infoは、個人利用において非常に充実したリアルタイム通信機能を無料で提供している貴重なサービスです。正しく利用すれば、音声・映像通話、チャット、プレゼンス管理まで幅広い用途に活用できます。
ご利用の際は、サービスの公平利用規約を遵守し、必要に応じてDNS設定やSTUN/TURN設定も理解して快適な運用を心がけましょう。
参考リンク

大阪のエンジニアが書いているブログ。
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