2024年後半から2025年前半のGitアップデートまとめ

2024年後半から2025年前半のGitアップデートまとめ Git
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この記事の最終更新日: 2025年5月13日

2024年6月以降、Gitにはたくさんの新機能や改善点が追加されました。この記事では、特に中級者やCI/CDを使っている開発者に役立つポイントを、できるだけやさしく・わかりやすくまとめています。

2024年後半から2025年前半のGitアップデートまとめ

コマンドの使いやすさアップ

  • これまで git config --get user.name のように書いていたのが、git config get user.name のように「動詞のようなコマンド形式」で書けるようになりました。覚えやすくて初心者にも優しい。
  • git statusgit statsu と打ってしまったときに自動修正してくれる機能が、より使いやすく、誤動作しにくくなりました。
  • コマンド実行時の「このブランチは…」などの説明を、--no-advice でまるごと非表示にできるようになりました。CIなどでスッキリ表示したいときに便利です。
  • Gitで発生した競合を、VSCodeで簡単に解決できる設定が追加されました。マージ作業がぐっと楽になります。

新しく使えるようになった機能

  • git backfill
    履歴をさかのぼって調べたいとき、今までは1つずつデータをダウンロードしていましたが、新コマンドで一括取得できるようになりました。
  • 特定のコミットだけをクローンできる
    git clone --revision <コミットID> を使うと、その1点だけを対象にクローンできるようになり、CIなどで便利です。
  • 不要ファイルを削除せず保管する設定
    git gc --expire-to=フォルダ名 を使うと、消す前にファイルを別の場所に保存できます。誤削除防止に役立ちます。
  • 壊れたブランチやタグを検査
    git refs verify で、ブランチやタグの整合性を自動でチェックできます。
  • どのブランチから分岐したかを確認
    git for-each-ref というコマンドで、特定のコミットがどのブランチから分かれたのかを表示できます。
  • GitHub CLIの強化
    自分のフォークにPushしつつ、本家リポジトリにPRを出す「三角構造」がCLIでも簡単に扱えるようになりました。

高速化やパフォーマンス向上

  • フェッチやクローンが速くなり、特に大きなリポジトリで差分を効率よく見つけて転送する機能が改善されています。
  • パック圧縮がかしこくな理、ファイル名やフォルダ構造を見て、関連性が高いファイルをうまくまとめて圧縮するようになりました。
  • SHA計算の高速化され、安全性を保ちつつ、ハッシュ計算が10〜13%ほど速くなっています。
  • 高速な圧縮ライブラリ「zlib-ng」が使えるようになり、 大量データを扱うときに約25%高速化されました。

内部構造の改善

  • 次世代ブランチ保存形式「reftable」への移行準備をしており、今後Gitは新しいブランチ保存方式「reftable」を推しています。既存のリポジトリも移行可能になりました。
  • 複雑なブランチ更新が一括で安全になり、HEADなどのブランチ参照をまとめてアトミック(途中失敗しない)に更新できるようになりました。
  • 今後削除される機能の一覧が公開され、使えなくなる予定の機能が事前にわかるようになりました。
  • 新しいビルド方式「Meson」に対応され、開発者がGitをビルドしやすくなり、参加のハードルが下がっています。
  • 一部Rust言語で再実装開始され、将来的な安全性向上に向け少しずつRustでも書かれるようになりました。

セキュリティの改善

  • トークンや認証情報のやりとりが安全になり、 Gitの認証情報ヘルパーが強化され、より安全な方法でトークンのやりとりができるようになっています。
  • SHA-256に向けた移行が進行中で、今後の安全性強化に向けて、SHA-256ハッシュにも対応が進んでいます。
  • ユーザー環境の情報がサーバに伝わ理、GitのUser-AgentがどのOSからアクセスしているかなどを伝えるようになりました。

CI/CD向けの改善

  • 履歴を後から追加取得できる(git backfill
    最初は最小限だけクローンして、必要になったときだけ履歴を追加取得。CIの速度アップに◎。
  • 必要なコミットだけのクローンが可能
    --revisionオプションで、最小限の履歴を取り込むことができます。
  • 追従や警告の表示設定が可能に
    リモートブランチ名の変更にも自動で対応できるようになりました。
  • スクリプト実行時の安定性アップ
    不要な表示を一括で消したり、勝手に実行されないようにする設定が整ってきました。

Gitはますます便利に、そして効率的に進化しています。2025年に向けて開発環境を最新に保ち、チーム開発やCI/CDの運用に活かしていきましょう!


参考リンク

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