この記事の最終更新日: 2025年5月8日

Gitの永遠のテーマともいえる「マージ vs リベース」。中規模以上のWebアプリ開発チームであれば、ブランチ運用ひとつで生産性もトラブル頻度も大きく変わります。
この記事では、
- なぜフィーチャーブランチではリベースを積極活用すべきか
- リベースの代表的デメリットと、GitHubコメントへの影響
- 実際の運用例&対策
を、初心者にもわかりやすく解説。今日からすぐ試せるポイントを押さえて、チーム開発をグッと効率化しましょう!
リベースを多用すべき3大メリット
履歴がシンプル/可読性が圧倒的にアップ
- マージコミットが増えず、
git log --graph
で「いつ何をしたか」がストレートに追えるような、直線的なログになります。 - 開発の流れが物語のように連続するため、コミットが物語のように順序立てて並んでいくため、新メンバーや他チームも直感的に理解しやすくなります。。
バグ特定&デバッグ速度が劇的に向上
- 無駄な枝分かれなし。二分探索で問題のあるコミットへまっすぐ辿り着きます。
- 意味ある単位で粒度を揃えられ、どの変更が原因か深掘りしやすくなります(超重要)。
1.3 コードレビューがスムーズに
- リベースして最新状態に合わせれば、PRに余計なマージ差分が混ざらずレビュー効率がアップします。
- WIPや細かい修正をまとめて、スッキリした履歴でPRを提出できます。
知っておきたいデメリットとコメントへの影響
リベース運用する上で、以下のデメリットは把握しておきましょう。
コメントが「Outdated」になりやすい
GitHubのインラインコメントは コミットSHA+行番号 に紐付くため、リベースでSHAを書き換えると、元のコメントが「Outdated(折りたたまれ表示)」になってしまうことがあります。
(ちなみに)GitのコミットSHA(ハッシュ値)は、各コミットを一意に識別するための「40文字の16進数」です。
- SHAとは「Secure Hash Algorithm」の略で、GitではSHA-1という方式を使い、コミットの内容や親コミット情報、日時などをまとめてハッシュ化します。
- その結果生まれる40文字(例:
3f1e2d4a5b6c7d8e9f0a1b2c3d4e5f6a7b8c9d0e
)がコミットSHAです。 - このSHAを使うことで、どんなに似た変更でも「どのコミットか」を厳密に区別・参照できます。
force-pushによる履歴ズレリスク
リベース後に git push --force
を多用すると、チームメンバーのローカル環境と履歴が食い違い、思わぬコンフリクトや混乱を招く恐れがあります。
マージ運用で直面する主な困りごと
- コミット履歴の複雑化し、多数のマージコミットによって履歴が枝分かれすることで、
git log --graph
が読みづらくなリマス。 - 短期的なマージコミットが履歴に残り、重要な変更を探す際の障壁になります。
- マージコミットがあると
git bisect
のステップが増え、問題コミット特定に時間を要する。 - リリース用ブランチやタグを作成する際に、どのマージコミットが本番に含まれるか判断しづらくなります。
コメントロストを防ぐ!実践的対策&運用例
- PR公開前にリベース完了
レビュー開始前に一度だけ整理し、その後は極力コミットを書き換えない。 - Squash & Merge を活用
マージ時にコミットを1つにまとめたり、マージコミットを残すオプションを組み合わせて、コメントを引き継ぎやすくする。 - 運用ルールをチームで明文化
- フィーチャーブランチ: リベース自由
development
/main
: リベース禁止、マージのみ- force-pushのタイミングと範囲を事前に合意
gitGraph
commit id: "main v1.0"
branch development
commit id: "開発開始"
branch feature/A
commit id: "A1"
commit id: "A2"
checkout development
branch feature/B
commit id: "B1"
checkout feature/A
rebase development
commit id: "A3" tag:"(rebased)"
checkout development
merge feature/A tag:"Merge A"
checkout development
merge feature/B tag:"Merge B"
checkout main
merge development tag:"Release v1.1"
4. まとめ & 今すぐ試そう!
- フィーチャーブランチでは積極的にリベース → 履歴がキレイに保たれ、開発フローが見通しやすくなる
- 共有ブランチへのリベースは禁止 → 安全・確実な統合作業を担保
- 運用ルールの徹底 → コメント紛失や履歴ズレのリスクを最小化
これらのポイントをチームで取り入れるだけで、レビュー時間の短縮やデバッグ効率化など、確実に開発スピードが向上します。ぜひ本日からトライして、Git運用を劇的にアップデートしましょう!

大阪のエンジニアが書いているブログ。
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